凧の数え方といえば、「枚」くらいしか思いつかないという方も多いのではないでしょうか? でも実は、凧には全部で4種類の数え方があり、それぞれに意味や使い分けがあります。そして、凧の数え方を知ることは、凧そのものの構造や文化的背景を知ることにもつながるんです。
この記事では、凧の基本的な数え方から、それぞれの由来や意味、さらには凧の種類ごとの特徴やおすすめの数え方、手作り凧の楽しみ方まで、たっぷりと解説していきます。子どもと一緒に学びながら楽しめる内容になっていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
この記事でわかること:
- 凧の数え方「枚・張・個・連」の違いと使い分け
- 凧の名前の由来とお正月に凧を揚げる意味
- 凧の種類別の特徴と最適な数え方
- 凧を手作りして数え方を体感できる遊び方
凧の数え方とは?|基本を学んで子どもにも教えよう
お正月や地域のお祭りなど、凧揚げを目にすることはあっても、「あの凧って、何て数えるの?」と聞かれると、答えに詰まってしまう方も多いのではないでしょうか。私も子どもに聞かれて一瞬固まってしまった経験があります。普段使うことのない言葉って、いざというときにパッと出てこないものですよね。
実は、凧の数え方は一種類ではなく、状況や凧の形状、使う場面によって異なる数え方が存在します。代表的なものだけでも「枚」「張」「個」「連」と4種類あり、それぞれに意味や由来があるのです。この記事では、それらの違いをわかりやすく整理しながら、子どもにも教えられるようなかたちでまとめてみました。
日本語には、モノを数えるときに「助数詞(じょすうし)」という言葉が使われますが、これは日本独自の文化のひとつともいえる奥深い分野。凧の数え方を知ることで、遊びをより深く味わえるだけでなく、日本語や文化への理解も深まるんですよ。
ではさっそく、もっともよく使われる数え方から順番に見ていきましょう。
枚(まい):最も一般的で幅広く使われる数え方
「枚(まい)」という数え方は、凧に限らず、紙や布、写真やお皿など、薄くて平たいものを数えるときに使われる、日本語の助数詞の中でも非常にポピュラーな存在です。凧も紙やビニールなど、薄くて軽い素材でできているため、見た目のイメージから自然と「1枚、2枚」と数える人が多く、一般的にも最も広く使われています。
たとえば、家族で凧揚げをしに行くときに、「今日は3枚の凧を持ってきたよ」といった言い回しをしても、多くの人にすんなり伝わるのは「枚」の使いやすさのおかげです。特に、子どもに説明する時には「紙と同じように考えてごらん。凧は紙でできてるから“枚”って数えるんだよ」といった例えがとても有効です。感覚的にも伝わりやすく、日本語を初めて学ぶ外国人に教えるときにも、この助数詞の選択は非常に適しています。
ただし、凧にはさまざまな種類があり、形状や素材が多様化している現代では、「枚」という表現だけでは伝えきれない場合もあります。たとえば、立体的な凧や複数の凧が連なった連凧などの場合、「枚」という数え方だと違和感を覚えることもあるでしょう。そのため、「枚」はあくまで“平面型の凧”をカジュアルに数える際の表現として覚えておくとよいです。
また、伝統的な和凧の文化を学ぶ場合や、フォーマルな解説の場では、「枚」よりも後述する「張(ちょう)」を使ったほうがふさわしいことも。とはいえ、子どもや初心者にとって「枚」は一番覚えやすく、使いやすい数え方です。まずはここからスタートして、他の数え方も少しずつ覚えていくと、より楽しく、より深く凧の世界に触れられるでしょう。
張(ちょう):和凧文化に根ざした伝統的な助数詞
「張(ちょう)」という助数詞は、あまり日常では耳にしないかもしれませんが、実は日本語の中では非常に歴史が深い数え方のひとつです。特に「紙を張って作ったもの」や「糸を張って使うもの」に使われる傾向があり、弓や琴、あるいはテントのような構造物に対して「一張、二張」と数えることが多いです。凧も竹などの骨組みに紙やビニールを張り付けて作られるため、この「張」という表現が非常にマッチします。
特に、和凧のような伝統的なスタイルの凧では「張」という表現を使うと、その文化的背景まで含めて伝えることができます。「この凧は職人さんが一つ一つ丁寧に作った一張です」なんて紹介すると、その重みや価値が自然と感じられますよね。たとえば、凧揚げ大会や地域の伝統行事などで「今年は五張の凧を揚げました」といった使い方をすると、場の雰囲気にもぴったりです。
また、子どもに教えるときには、「昔の人はね、紙を“張って”作るから“張”って数えてたんだよ。和凧っていう日本の伝統文化では今でもこの数え方を使うんだよ」と話してあげると、言葉の背景にある文化や歴史にも興味を持ってもらえるでしょう。ただ「数え方を覚える」だけでなく、その背後にあるストーリーを語ることで、記憶に残りやすくなるのもポイントです。
「張」は、どちらかといえばフォーマルな印象を持つため、公式な文章や学術的な場面でも好まれます。一方で、家庭での会話や日常的なシーンではやや堅苦しく感じられることもあるので、相手や場面によって「枚」との使い分けを意識するのが大人の使いこなし方です。言葉の選び方ひとつで、相手に与える印象や伝わり方が変わるのも、日本語の奥深さですよね。
個(こ):現代の凧にも対応する万能カジュアル表現
「個(こ)」という数え方は、凧に限らず私たちが日常で最もよく使う助数詞のひとつです。お菓子、道具、おもちゃ、あらゆる“もの”に対して使える便利な表現であるため、「とりあえず“個”で数えておけば大丈夫」と考えてしまう人も少なくありません。実際、ビニール製やプラスチック素材の凧など、現代的で伝統的なイメージからかけ離れたデザインの凧には、この「個」が自然にフィットする場合があります。
たとえば、ホームセンターやおもちゃ屋で売られているようなゲイラカイトやキャラクター凧を数えるときに、「2個買った」「3個もってる」と言っても、違和感を持つ人はあまりいないでしょう。形や素材が標準的でない場合、「枚」や「張」といった定型の助数詞ではかえって不自然に聞こえてしまう場面もあるのです。
また、小さな子どもたちが凧を作ったときにも、「○○ちゃん、凧をいくつ作ったの?」と聞くと、「3個!」と元気に答えることがよくあります。このように、「個」は親しみやすさがあり、特に言葉を覚えはじめたばかりの子どもにとっては最初に馴染む助数詞として最適です。
ただし、正確に言えば「個」は凧の本来の形状や性質を踏まえた表現ではありません。あくまで簡易的で汎用的なものなので、学校の作文やイベントの紹介などで文章を書くときには、より適切な「枚」や「張」を選ぶことで文章に深みが出ます。
「便利だけど正確ではない」、これが「個」の立ち位置です。とはいえ、堅苦しさがなくて使いやすいことも事実。言葉の使い分けを知ることで、日本語の面白さに気づけるようになるかもしれませんね。
連(れん):複数の凧が連なった特殊な数え方
「連(れん)」という数え方は、凧の中でも少し特殊なタイプに使われる助数詞です。普段はあまり聞きなれないかもしれませんが、実はとても面白く、そして視覚的に印象深い凧に使われる表現なんです。
では、どんな時に「連」を使うのでしょうか?
それは、複数の凧が1本の糸に連なっている「連凧(れんだこ)」という凧を数える時。この連凧は、見た目のインパクトも抜群で、お祭りやイベントなどで空高く舞う姿を見たことがある方も多いのではないでしょうか。1つの糸に、等間隔でいくつもの凧がぶら下がっている様子はまさに圧巻。あれを数える時に「1枚」「1張」ではどうしても違和感がありますよね。
そこで登場するのが「連(れん)」という数え方です。たとえば、「今日は10連の凧を揚げたよ」といえば、10枚の凧が1本の糸に連なって空を舞っている様子をイメージできます。これは他のどの助数詞でも表現できない、視覚的にも構造的にもピッタリな言葉です。
この「連」という表現の面白いところは、単に数を表すだけでなく、その構造や仕組みまでも言い表している点にあります。凧が「連なっている」という状態そのものを表現しているので、数え方の中でも機能的な役割を持っているんですね。つまり、単体の凧をいくつか持っているのではなく、「連結されたひとまとまりの凧の集合体」として扱う場合にこの助数詞が登場するのです。
子どもに説明する場合には、「1つ1つがくっついて長~くなってるから、“連”で数えるんだよ。列車みたいだね」と例えると、イメージしやすくて理解も早まります。実際に連凧を作って飛ばすときには、「○○ちゃん、今日は何連に挑戦する?」と声をかけて、数の感覚や空間の理解を養う教材にもなります。
また、連凧は地域によっては縁起物とされることもあり、「連なって幸運が続く」といった意味合いを持たせる行事に登場することもあります。そういった文化的背景からも、「連」という数え方が持つ言葉の力が伝わってきますよね。
注意点としては、「連」はあくまで“1本の糸につながった凧”をまとめて数える時の表現です。単に複数の凧があるだけでは「連」は使えません。そこを間違えると不自然な表現になってしまうので注意しましょう。
凧と数え方の由来を知って日本文化を感じよう
凧を見上げると、空に舞うだけでなく、目に見えない「歴史」や「言葉のチカラ」も一緒に飛んでいるような気がしませんか?凧あげを楽しむとき、つい「楽しいね」「きれいだね」で終わってしまうところを、ほんの少し立ち止まって「どうして“張”って数えるの?どうしてお正月なの?」と疑問に思うだけで、凧の奥にある日本の文化や言葉の成り立ちが見えてくるんです。
実際、数え方ひとつにも歴史が宿っていて、それを知ると「枚」「張」「個」「連」といった助数詞が、ただの数字の補助語ではなく、人の暮らしや価値観を映す小さな窓になることに気づきます。そして、凧という遊び道具が何千年もの間、人びとを繋ぎ、年の節目を祝う手段として日本人の心に根付いてきた、そのストーリーにも触れるとき、遊びがもっと深い意味を持ち始めます。
この記事では、数え方ひとつひとつの背景や、なぜお正月に凧を揚げるのか、さらには「凧」という漢字の成り立ちにも踏み込んで、お子さんといっしょに日本の伝統をやわらかく学べるガイドを目指します。それでは、まず「張」という数え方から、文化の入口をのぞいてみましょう。
凧の名前の由来は江戸時代から!
江戸時代に入ると、凧(たこ)は単なる遊び道具から、町人たちの日常に溶け込んだ文化的存在へと昇華しました。「凧」という呼び名の由来にも、江戸の町に根ざす言葉遊びと生活感が隠れているんですよ。
たとえば、「張(はる)」という語と「蛇(たこ)」という語をかけた、洒落やユーモアを含む命名の裏側には、江戸っ子の言葉遊びのセンスが感じられます。つまり「張る(はる)」=紙などを張り合わせてつくること、「たこ」=空を滑空するさまが蛇(たこ)のような動きであること、両方を楽しんでいたというわけです。
また、江戸時代の絵本や浮世絵には、手作り凧を揚げる子どもや家族の姿が描かれていて、それが「凧」という名前への親しみやすさを後押ししていたのかもしれません。「凧って昔の人にとっても、特別な“遊び道具”だったんだ」と教えるだけでなく、「『張』と『たこ』の言葉の響きで呼びやすくなったのかなあ」とちょっとした想像を交えて共有すると、子どもの中にも歴史や日本語への小さな興味が芽生えます。
さらに、「凧」という漢字そのものに込められた意味をもう一歩深掘りすると、遊び心だけではなく「空へのあこがれ」や「構造的な発想」が見えてきます。たとえば、竹や紙、糸…といった素材を組み合わせて「飛ばす」形を組み立てた言葉には、当時の知恵と感性がつまっていたのかもしれません。
つまり、「凧」という名前をただ覚えるのではなく、江戸の人々の言葉の選び方、絵を通じて育まれた文化、そして漢字の形にも意味がある…そんな多層的な視点こそが、“言葉の楽しさ”をより豊かに感じさせてくれるのです。
お正月に凧揚げをする理由とは?
凧揚げがお正月の風物詩となった背景には、「願い」「祈り」「楽しみ」がほどよく融合した日本人の営みが息づいています。
まず、空高く舞い上がる凧には「幸運が高く飛び上がりますように」「今年も元気に過ごせますように」という願いが込められていました。特に正月は「年神様を迎える」時期でもあるため、凧を揚げる行為は自然と神様とのコミュニケーションの一環ともなっていたんです。このように、凧揚げは遊び以上に「見えない力とつながる儀式」のような側面もあったわけです。
さらに、「とんで考えよ(とんで幸運が来る)」という語呂合わせも江戸時代以降の洒落や願掛け文化に通じる、伝統的な言葉遊びです。凧が昇る感覚と願いが遠くまで届くというイメージを結びつけて、遊びの中に“希望”を込めるセンスは、日本人ならではの感性と言えますね。
たとえば、子どもに「凧を揚げることで“今年も家族みんなが元気に飛び乗れるように”っていう思いがあるんだよ」と伝えれば、「遊びながら大切なことを願っているんだ!」と感じてもらえるかもしれません。凧あげがただ楽しいだけでなく、家族や地域のつながりの中で意味を持つ行動になる瞬間です。
また、昔は門松を立て、餅をつき、凧を揚げて…という一連の正月行事が、新年を迎えるための“祈りと準備”として行われていました。凧が空に飛ぶことで、家族や家も守られている気持ちになれる、そんな“形のない安心”を感じられる体験だったのです。
「凧」という漢字の意味とは?
「凧」の字に込められた意味は、文字通り「形の力」を感じさせる芸術的な漢字です。上部の「几(き)」は支える台や物の輪郭を思わせ、下部の「鳥」は飛翔する存在を暗示します。つまり、「支えられて飛ぶもの」という視覚的なメッセージが文字そのものに宿っているのです。
この象形的な特徴は、凧という遊び道具の構造—竹の骨組み(支え)に紙布(飛ぶ面)が貼られている—と完全に一致しています。漢字が“字=象形+意味”という成り立ちを持つことを実感させてくれる例でもあります。まさに「文字が遊びの構造を語っている」と言っても過言ではありません。
さらに、「鳥」の部分には「空を自由に羽ばたく」というポジティブなイメージが込められていて、文字を見るだけで「飛びたい!」というワクワク感すら感じられます。お子さんに「この字には“飛ぶ鳥”がいるよ」と伝えると、普段何気なく書く漢字がまるで絵本に出てくるキャラクターのように見えてきて、新しい世界が開けるかもしれません。
また、他の漢字と比べて「凧」は視覚的にユーモラスで親しみやすい形をしているため、メディアやイラストでも文字として使われる場合が多く、字そのものが文化的な装飾になっていることも魅力です。
凧の種類と数え方を組み合わせて楽しもう
「凧」ってひとことで言っても、実は種類がたくさんあるんです。子どもの頃は、三角形のカラフルなビニール製のものしか知らなかったけど、調べてみると和凧、連凧、立体凧、スポーツカイト…とそのバリエーションは驚くほど豊富。しかも、それぞれ形も素材も揚げ方も違えば、ぴったりな数え方も異なるんですよね。
たとえば、1枚ずつ独立して揚げるものなら「枚」や「張」で数えるのが自然ですが、連なっている凧なら「連」で数える方がしっくりきます。また、構造がしっかりしていて立体的なものには「個」を使う場面も。凧の種類を知ることは、正しい数え方を理解することにもつながります。
この記事では、代表的な凧のタイプをピックアップして、その特徴や構造、どんな数え方が合うかを一緒に見ていきましょう。きっとこれまで見たことのある凧も、「こんな風に分類されてるんだ!」と新たな発見があるはずです。お子さんと一緒に“見分けゲーム”をするのもおすすめですよ!
軟体凧と立体凧の違いとは?
まずは、凧の形状と構造の大きな違いで分類される「軟体凧」と「立体凧」についてご紹介します。軟体凧というのは、柔らかくて軽く、平面的な構造をしている凧です。素材としてはビニールや薄い紙が使われることが多く、持ち運びやすくて組み立ても簡単。初心者や子ども向けの凧によく見られるタイプですね。
一方、立体凧はその名の通り立体的な構造をしており、箱型や球体、さらには動物や建物のような形を模した凧まで存在します。これらは骨組みもしっかりしていて、空気を取り込んで安定して浮かぶ設計になっているため、見た目も迫力満点。海外ではドラゴン型や宇宙船型などの創造的な立体凧も人気があります。
この2つの違いを子どもに説明するなら、「軟体凧はノートみたいにペラペラで、立体凧はおもちゃのブロックみたいにゴツゴツしてるよ」と伝えると、イメージしやすいでしょう。
数え方においても違いが出てきます。軟体凧は「枚」や「張」が一般的で、素材や構造の“薄さ”がポイント。逆に立体凧はその構造の複雑さや重さから、「個」で数える方が自然な場合があります。たとえば「恐竜型の凧を1個飛ばした」と言うと、その重厚感や存在感まで伝わりますよね。
つまり、凧の構造を理解することは、最適な助数詞を選ぶための第一歩でもあるんです。
ゲイラカイトやバイオデザインカイトの特徴
1970年代に登場して以降、子どもたちに大人気となったのが「ゲイラカイト」です。ビニール製の三角形(デルタ型)で、軽くて安定して飛びやすい設計。力強い風がなくてもよく揚がり、初心者でも簡単に楽しめるのが特徴です。今や凧といえばこの形を思い浮かべる人も多いでしょう。
一方で、近年注目されているのが「バイオデザインカイト」。これは自然界の形(魚・昆虫・植物など)を模してデザインされたもので、見た目の美しさだけでなく、揚げるときの動きや浮き方にも独特の魅力があります。まるで空中を泳ぐ生き物のように滑らかに舞う姿は、見ているだけで癒されるという人も。
数え方としては、どちらも「枚」で数えられることが多いですが、サイズが大きく構造が複雑なものは「個」で数えられることもあります。たとえば、「バイオデザインカイトを2個持ってる」と言えば、特別感やコレクション性も伝わりやすくなりますね。
お子さんとゲイラカイトを揚げるときには、「これは三角形だからよく飛ぶんだよ」と話しながら、「何枚揚げようか?何個持ってる?」と数え方の違いも遊びの中で自然に教えていけるとベストです。
連凧や角凧など伝統的な凧も紹介
伝統的な日本の凧といえば、やはり「角凧」や「連凧」が代表的です。角凧は四角い形をした、和紙と竹を使ったシンプルな構造の凧。地域によって模様や大きさが異なり、名前入りや家紋を描いたものなど、まさに“一家に一枚”といった風格があります。江戸時代から続く技法で作られ、和凧の中でも歴史的価値が高いタイプです。
「連凧」は複数の小さな凧が1本の糸につながって、空に連なって舞い上がる凧のことです。見た目のインパクトは圧巻で、お祭りなどでは“何連まで飛ばせるか”を競う行事も行われるほど。その姿はまさに空のアート。子どもたちにとっても「空ってこんなに広いんだ!」と感じさせてくれる素敵な体験になります。
これらの凧の数え方としては、角凧は「枚」「張」が使われることが多く、和の雰囲気を大切にした表現です。連凧はその構造から、「1連」「2連」と“まとまり”として数えるのが自然です。
たとえば、親子で凧を作るときに「今日は角凧を1枚作ろうか」とか、「10連の連凧を揚げてみよう!」と声をかけることで、数え方にも文化のニュアンスが込められるようになります。
伝統的な凧の種類を知ることは、ただ遊びを楽しむだけでなく、過去から現在への文化のリレーを体感することでもあるのです。
凧を作って数え方も実践!親子で楽しむ凧あげ体験
凧って、買って遊ぶだけのものだと思っていませんか? 実は、自分で作るところから始めると、楽しさも学びも何倍にも広がるんです。しかも、作った凧を揚げるときに「これは何枚?」「何個?」「何連?」と、自然に数え方の実践にもつながっていきます。
親子で凧を手作りする時間は、ただの工作ではなく「日本文化を体感する授業」にもなります。材料を選んで、骨組みを作って、紙を貼って、糸を結んで…。それぞれの工程で「なるほど!」と思える発見があり、完成して空に舞い上がる瞬間は、まさに達成感の塊。その過程で、凧の構造や素材にも詳しくなり、どんな数え方がぴったりかということも体感的に理解できるのです。
この記事では、簡単にできる手作り凧の方法や、揚げるときのコツ、安全に楽しむための注意点までご紹介します。凧作りと凧あげが一連の“学びと遊びの体験”になるよう、親子でチャレンジしてみてください。
簡単に作れる!10分でできる手作り凧
「凧を作るって難しそう…」と思われがちですが、実はご家庭にある材料で10分もあれば完成する簡単な作り方があります。必要な道具は、割りばし2本、ビニール袋(コンビニ袋でOK)、セロテープ、たこ糸、はさみだけ。特別な技術もいりませんし、工作が苦手な子どもでも楽しめるシンプルな工程です。
まずは割りばしを十字に組んでテープで固定。次に、その枠にビニール袋を貼りつけて、軽く余白をカット。最後に糸をバランスよく結べば、あっという間に完成です。装飾にカラーペンで絵を描いたり、折り紙を貼ってオリジナルデザインにすることで、子どもたちの創造力も一緒に育ちます。
このように簡単に作れる凧を使って、完成品を「1枚作ったね」「3個できた!」と数えながら遊ぶと、自然と数え方の練習にもなります。さらに「この凧、紙を張ったから“張”って言えるんじゃない?」なんて会話が出れば、それはもう大成功。遊びながら言葉の感覚を身につけている証拠です。
また、簡単に作れるという利点は、繰り返し作って失敗を恐れずに試せること。風が強すぎて破れてしまっても、すぐに作り直せばOK。試行錯誤の中で「どんな形が飛びやすいか」「どこを補強すれば長持ちするか」といった気づきが自然に生まれていきます。これはまさに、楽しい“空の自由研究”ですね。
凧揚げに適した場所や風速の確認ポイント
凧揚げを成功させるには、どこで・どんなときに揚げるかがとても重要です。場所や風の状態が合っていないと、せっかく作った凧もすぐに地面に落ちてしまったり、逆に糸が引っかかって壊れてしまったりするリスクがあります。だからこそ、「適切な場所と風を選ぶ」ことは、凧揚げを楽しむための第一ステップなのです。
まず場所について。広くて障害物が少ない場所が理想です。具体的には、河川敷、公園の広場、海辺など。電線や木、建物が近くにないことが大前提です。特に電線は感電の危険もあるため、絶対に避けましょう。また、人通りが少ない時間帯を選ぶことで、周囲への配慮も忘れずに。
次に風速ですが、理想は秒速2〜5メートル程度の“やや強めの風”。風が弱すぎると凧が上がらず、強すぎると制御が難しくなります。スマートフォンの天気アプリなどで当日の風速を確認し、「今日は揚がりやすい日だね」と事前にチェックする習慣をつけると安心です。
こうした準備をお子さんと一緒に行うことで、「楽しいだけの遊び」から「計画的に楽しむ知育体験」へと変わります。また、「今日は3枚の凧を試して、どれが一番よく飛ぶか比べてみよう」といった遊び方をすれば、凧の数え方・構造・飛び方の関係性まで感覚的に理解できてしまいます。
子どもだけでやらないための安全対策
凧揚げは屋外で思いっきり体を動かす楽しい遊びですが、その一方で「道具を扱う」「風に左右される」「広い場所で人とすれ違う」などの理由から、意外と注意が必要な遊びでもあります。特に小さなお子さんだけで行うと、思わぬトラブルに発展するケースもあるため、安全対策は万全にしたいところです。
まず最初に意識したいのは、「必ず大人が付き添う」というルール。大人の目が届く範囲で遊ぶことはもちろん、風が急に強まった時の対応や、凧が落ちそうなタイミングを察知して指示を出す役割も必要です。できれば、凧揚げに慣れた親や先生が1人ついておくとベストです。
また、凧糸の取り扱いも要注意です。細くても勢いよく引っ張ると手に食い込み、けがの原因になります。小さな手でも扱いやすいように、凧糸の持ち手部分を段ボールで作ったり、手袋を装着させたりするなど、事前の準備で防げる事故も多くあります。
さらに、天気が急変しそうな日は無理に実施しない勇気も大切です。「今日は風が強すぎるから、また次の機会にしようね」と切り替える判断も、子どもたちにとっては“計画と安全のバランス”を学ぶ貴重な機会です。
このような安全面への配慮を行いながら、親子で「今日は1個作ったけど、今度は3連に挑戦してみようか」と、段階的にレベルアップしていくと、達成感も大きく、数え方の理解もぐっと深まっていきます。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- 凧の数え方は「枚」「張」「個」「連」の4種類がある
- 「枚」はもっとも一般的で、平面的な凧に使われる
- 「張」は和凧など、伝統的な凧に使われる格式ある表現
- 「個」は立体的・特殊な凧やカジュアルな言い方に適している
- 「連」は連凧のように複数がつながった構造の凧に使う
- 凧の名前には江戸時代の言葉遊びや文化背景が込められている
- お正月に凧を揚げるのは、新年の願いを込める意味があるから
- 凧の種類を知ることで数え方の理解も深まる
- 凧を手作りすることで、数え方を実体験として学べる
- 安全に配慮しながら親子で楽しむことで、文化と学びが深まる
凧の数え方を学ぶことは、単なる言葉の知識だけではありません。それは、日本語の美しさや、昔から続く文化との出会いでもあります。お子さんと一緒に凧を作って揚げる中で、「これは何枚?」「こっちは何連?」といったやりとりが自然に生まれたら、それは言葉と文化を楽しむ最高の時間になるはずです。
ぜひこの機会に、凧の数え方を“学び”としてだけでなく、“体験”として楽しんでみてくださいね。