＋1 (622)…この国番号「622」は何者？

スマートフォンに突然「+1 (622)」という見慣れない番号から電話がかかってきたら、それは単なる間違い電話ではないかもしれません。このような番号の多くは、国際電話詐欺の一種であり、応答や折り返しをすることで高額な通話料を請求されたり、個人情報が悪用されるリスクがあります。

この記事では、「+1 (622)」の正体から、詐欺の手口、そして被害を防ぐための具体的な対策までを詳しく解説しています。

突然の着信、国番号「+1 (622)」の正体とは？

最近、スマートフォンに「+1 (622) 184-0455」のような見慣れない番号からの着信が増えています。一見するとアメリカやカナダの国番号である「+1」からの電話のように見えますが、「622」という番号に不安を感じた方も多いのではないでしょうか。結論から言えば、このような番号は高い確率で「国際電話詐欺」に関係しています。

近年、電話番号を偽装して信頼感を持たせ、受信者に折り返し電話をさせる「ワンギリ詐欺」や「国際電話詐欺」が急増しています。「+1」や「+44」など一見正規に見える国番号を利用しながら、続く数字部分が存在しない、あるいは割り当てられていない番号になっているケースが特徴的です。

ここではまず、なぜこのような番号から着信があるのか、その構造や仕組み、そして特に「+1 (622)」という番号の正体、さらにそれを可能にしている「スプーフィング（番号偽装）」の実態について詳しく解説していきます。

見知らぬ番号が国際電話でかかってくる理由

「国際電話の詐欺」と聞いても、自分には関係ないと思っていませんか？実際、日本人は国際電話に慣れていないため、少しでも正規っぽい番号に反応してしまう傾向があると言われています。これを逆手に取ったのが、詐欺電話業者の手口です。

以下の表は、詐欺電話が発信される際の典型的な流れを示したものです。

ステップ	内容
1. 発信者が偽の国番号を設定	「+1」「+44」など正規の国番号を装い信頼感を出す
2. 存在しない市外局番を付け加える	たとえば「622」など、実際には存在しない番号を組み合わせる
3. 一度だけワンギリで着信	受信者が不安になり、折り返すよう誘導する
4. 折り返すと高額な通話料が発生	プレミアム通話料が課金され、被害に

このようにして、詐欺業者は国際電話の制度や利用者の心理的盲点を突いて、合法的に見せかけた不正な利益を得ています。知らない番号からの国際電話は「絶対に出ない・折り返さない」という鉄則を守ることが大切です。

国番号「622」は存在する？しない？

結論から言えば、「+1 (622)」という番号は実在しません。そもそも「+1」は北米（アメリカ・カナダ・一部カリブ諸国）に割り当てられている国番号ですが、その後の「622」という番号は市外局番ではなく、未割当もしくは存在しない番号です。

以下は、実在する主要な国番号と、「存在しない番号」との比較表です。

国名	国番号	ステータス
アメリカ	+1	有効
日本	+81	有効
イギリス	+44	有効
「622」	+622	未割当（存在しない）

つまり「+1 (622)」という表示は、信頼できる通信事業者の番号とは断定できないどころか、意図的に作られた偽装番号の可能性が極めて高いのです。スマートフォンの画面上でアメリカからの電話に見えても、それが正規のものとは限らないという点に注意が必要です。

電話番号を偽装する「スプーフィング」とは

「スプーフィング（Spoofing）」とは、実際とは異なる番号や表示名を使って、相手を騙す通信技術です。本来は正規の業務用途にも使われる技術ですが、近年はこれを悪用する詐欺が多発しています。

特に国際電話詐欺では、「スプーフィング」によって存在しない国番号や信頼性の高い市外局番を装い、ターゲットに安心感を与えて通話を誘導します。この技術を使えば、詐欺グループは世界中どこからでも通話をかけることができ、なおかつ正体を完全に隠すことが可能です。

以下の表は、スプーフィングの特徴とリスクをまとめたものです。

特徴	リスク
偽の発信元番号を表示可能	本当の発信者が特定できない
存在する電話番号のなりすましも可能	知人・企業を装う詐欺も成立
着信履歴に残ってしまう	被害者が信じて折り返すリスクが高い

スプーフィングへの対策としては、信頼できない番号には一切応答しないことが最も有効です。加えて、キャリアや端末のセキュリティ設定で、国際電話の着信制限や不明番号のブロックを設定することも重要です。

なぜこのような電話がかかってくるのか？

突然「+1 (622)」のような番号から国際電話がかかってきた経験はありませんか？このような番号の多くは、一般的な電話番号とは異なり、詐欺的な目的で仕組まれた偽装番号である可能性が極めて高いです。では、なぜこのような電話がかかってくるのでしょうか？その背景には、巧妙な詐欺の手口やグローバルな通信網の悪用があります。

詐欺業者は、私たちの「不安心理」や「常識」を逆手に取って、折り返し電話を誘導したり、個人情報を引き出すための手段として、こうした架空の国際電話を利用しています。電話をかける側にとっては、ほんの数秒の「ワンギリ」だけでも、十分に効果があるのです。このセクションでは、彼らの狙いや仕組み、そして日本人が特にターゲットになりやすい理由について掘り下げていきます。

国際電話詐欺の仕組みと目的

国際電話詐欺とは、国際通信網を悪用し、高額な通話料や個人情報の搾取を狙う犯罪手口です。その基本的な構造は「ターゲットに折り返し電話をさせる」こと。なぜ折り返しを狙うのか？それは、特定のプレミアム回線（高額通話料が設定されている番号）に繋がるよう設定されているからです。

以下は、国際電話詐欺の典型的な目的をまとめたものです。

詐欺の目的	具体的な手口
高額通話料の徴収	プレミアム番号への誘導で1分数千円の通話料
個人情報の収集	本人確認を装って氏名・住所・銀行口座などを聞き出す
SMSや音声案内での詐欺誘導	「不在通知」「支払い確認」などを偽り、URLを踏ませる

詐欺のターゲットはスマートフォンを利用する全年齢層。特にネットリテラシーが高くない層を狙い、少しでも怪しまない行動を見せるとすぐに次の段階に誘導されてしまいます。「海外からの着信＝要注意」という意識を常に持つことが大切です。

詐欺業者が狙う日本人の特徴

なぜ日本人が国際電話詐欺のターゲットになりやすいのでしょうか？その理由の一つに、「知らない番号でも出る・折り返す」傾向があります。日本の文化では、「礼儀」や「失礼がないようにする」という意識が強く、特に高齢者ほど電話に敏感です。

以下のような日本人特有の傾向が、詐欺業者にとっては「成功率の高いターゲット」と映っています。

日本人の傾向	詐欺に利用される理由
見知らぬ番号でも出てしまう	慎重で丁寧な性格が逆に狙われやすい
通知された番号を信用しがち	番号表示＝信頼という誤解
海外からの連絡に慣れていない	不審さを感じずそのまま応答する

詐欺業者は、こうした文化的・心理的な要因を熟知しており、日本語対応の自動音声を使うなど、手口も年々進化しています。日本語で案内されるとつい信じてしまいがちですが、内容に少しでも違和感を感じたら、即切断・無視が鉄則です。

折り返すと起こる「通話料請求」のトラブル

最も多いトラブルが、高額な通話料の請求です。知らずに折り返した電話先が、1分あたり数千円というプレミアム番号であった場合、たった数分の通話で1万円を超える請求が発生することもあります。しかも、それが「合法的」に行われているという点が非常に厄介です。

以下に、折り返し通話によって実際に起こり得るトラブル例をまとめました。

トラブル内容	被害の内容
高額な通話料	1分数千円、10分で数万円の請求
音声ガイダンスによる誘導	長時間の通話を強制し、課金を増加
個人情報の搾取	通話中に偽のカスタマーサポートを名乗り、情報を聞き出す

電話料金が請求された後に「詐欺でした」と言っても、自己判断で折り返した場合、キャリアや警察でも返金は困難です。大切なのは、最初から関わらないこと、応答しないこと。知らない番号からの国際電話は、疑ってかかるくらいでちょうど良いのです。

安全のために取るべき対策は？

「+1 (622)」のような不審な国際電話から身を守るためには、事後対応ではなく、事前の予防が何よりも重要です。一度でも通話に応じてしまえば、通話料や個人情報のリスクが発生するだけでなく、「この番号はつながる」と認識され、再び狙われるリストに入れられてしまう可能性すらあります。

では、具体的にどのような対策を講じるべきなのでしょうか？基本的にはスマートフォン側でのブロック設定や、通信キャリアが提供する着信拒否サービスを活用することで、かなりのリスクを回避することが可能です。また、設定の見直しや、知らない番号への対応ルールを家庭内で共有することも重要な一手です。

このセクションでは、今日からすぐにできる3つの対策として、「着信拒否の設定方法」「国際電話の完全ブロック」「個人情報の守り方」について、表を交えてわかりやすく解説していきます。

着信拒否・ブロック設定の方法

スマートフォンには、不審な番号を直接着信拒否リストに追加する機能があります。また、多くのキャリアやセキュリティアプリでは、迷惑電話として報告された番号を自動的にブロックする機能も提供されています。これを活用することで、同じ番号からの着信を未然に防ぐことができます。

機種・サービス	設定方法
iPhone	通話履歴 → 情報マーク → 「この発信者を着信拒否」
Android	通話アプリ → 番号長押し → 「ブロック」
ドコモ・au・ソフトバンク	迷惑電話ストップサービスを活用（要申込）
セキュリティアプリ	迷惑電話検知機能をONに設定

このように、着信を未然に防ぐには端末とキャリアの機能を併用することが最も効果的です。設定自体は数分で完了しますので、面倒と思わずすぐに対策しておきましょう。

国際電話の受信を完全に止めるには

「海外からの電話は一切不要」という方であれば、国際電話の着信自体を完全にブロックすることもできます。通信キャリアが提供している「国際電話不取扱サービス」を利用すれば、海外からの通話を受け付けない設定に変更できます。

キャリア名	国際電話の着信拒否設定	手続き方法
NTTドコモ	国際着信停止サービス	My docomoまたはショップ窓口
au	国際電話不取扱設定	My auまたは電話で申し込み
ソフトバンク	国際着信拒否サービス	My SoftBankまたはカスタマーサポート

この設定を行えば、知らない海外からの電話による不安を根本的に断ち切ることができます。特に高齢の家族がいる場合は、事前に設定してあげると安心です。

固定電話でできる詐欺電話対策

スマートフォンだけでなく、固定電話にも国際電話詐欺のリスクはあります。特に高齢者のいる家庭では、固定電話の方が被害に遭いやすい傾向があります。スマホと違い、番号表示が簡易的だったり、着信拒否機能が制限されている機種も多く、対策を怠ると何度も詐欺電話のターゲットにされてしまう可能性があります。

以下は、固定電話で取れる現実的な対策の一覧です。

対策内容	詳細
ナンバーディスプレイの契約	発信番号を確認し、知らない番号には出ない判断ができる
着信拒否機能付きの電話機を導入	あらかじめ登録された番号以外は呼び出さない設定が可能
通話録音機能を有効にする	「この通話は録音されます」と自動で伝えることで詐欺業者を牽制
国際電話不取扱の申し込み	NTTなどで国際電話の受信自体を停止する手続きが可能

特におすすめなのが、自動応答メッセージや録音機能付きの電話機です。詐欺業者は録音や証拠を嫌うため、「録音しています」というアナウンスが流れるだけで、すぐに電話を切るケースがほとんどです。家族で固定電話を共有している家庭では、こうした機器の導入が非常に有効です。

個人情報を守るために意識すべきこと

不審な電話からの着信に出てしまった場合でも、絶対にしてはいけないのが「個人情報の口頭回答」です。「あなたの契約を確認したい」「本人確認が必要です」といった誘導に従ってしまうと、住所や名前、生年月日、銀行口座などを知られるリスクがあります。

以下の表は、電話口で聞かれることの多い情報と、そのリスクをまとめたものです。

聞かれる情報	悪用される危険性
氏名・生年月日	なりすまし契約・SNS乗っ取り
住所・電話番号	架空請求・フィッシングのターゲット
銀行口座・クレジット情報	不正送金・カード被害

どんなに巧妙な話し方でも、電話越しに情報を求める相手を「本物」と断定するのは危険です。たとえ名乗りが企業名や公的機関でも、必ず一度電話を切って公式サイトから確認を取るようにしましょう。

まとめ

この記事のポイントをまとめます。

• 「+1 (622)」のような番号は偽装された国際電話詐欺の可能性が高い
• 国番号「622」は存在せず、詐欺業者が作り出した番号である
• 電話番号を偽装するスプーフィング技術が悪用されている
• 詐欺電話の目的は高額通話料の徴収や個人情報の搾取
• 日本人の習慣や心理が詐欺業者に狙われやすい理由の一つ
• 一度折り返すと被害リストに登録される可能性がある
• スマホやキャリアの機能で着信拒否設定が可能
• 国際電話自体を完全に受信停止にすることも可能
• 個人情報は絶対に電話口で話さないことが重要
• 知らない番号からの着信には一切応答しないのが最善策

不審な国際電話から身を守るためには、情報を正しく知り、冷静に対応することが求められます。詐欺電話はますます巧妙化しており、誰もが被害者になり得ます。しかし、日頃から正しい知識と対策を備えていれば、リスクを最小限に抑えることができます。

今回ご紹介したようなブロック設定や意識改革を、ぜひ今すぐ実践してみてください。